「水道水臭い」苦情相次ぐ

朝日新聞 2011年12月5日

(記事抜粋)

◇台風でダム放水→藻が影響

市「健康に問題なし」 松山市中心部

 松山市中心部で秋以降、「水道水が臭い」 という苦情が相次いでいる。管理する市公営企業局によると、健康には影響のないことを確認しているという。9月の台風がきっかけで、藻類から発生する化学物質が原因とみている。

 苦情があったのは、市之井手(いちのいで)浄水場(同市溝辺町)が配水する地域。浄水場に近い湯山から、市役所のある番町、松前町に近い余土地区など市の中心部およそ17万7千世帯に供給している。

 最初に異変があったのは、台風12号が高知県に上陸した9月3日の午前2時。警戒態勢にある浄水場の処理中の水から「土臭さ」 を感知。すぐに臭いを少なくする活性炭を投入したが、9日の朝までに計36件の水道利用者からの問い合わせや苦情があった。

 9月20日の台風15号の時にも「土臭さ」 が出現。同じように「水道水が臭い」 との電話が22件に上った。

 公営企業局が原因と考えたのは、浄水場の取水堰から2・5キロ上流にある石手川ダムの放水だ。川に土が入ると、その臭いが残りやすい。当初は、大量の放水で、土砂を含んだ濁流が「臭いの元」 とみた。

 国土交通省石手川ダム管理支所によると、台風12号の時の9月3日、ダムの放流が最大で毎秒170・97トン、1973年のダム完成以来、最大の放流量になったという。9月20日の台風15号の時も最大で毎秒67・63トンの放流をした。

 このため公営企業局では、ダムの放水量が毎秒50トンを超えた段階で、市之井手浄水場の人員を増やして対応することにした。

 ところが、11月18~19日に雨が降った際には、最大でも毎秒10トン程度の放流量だったにもかかわらず、おおよそ6日間にわたり、計87件の問い合わせが出た。

 公営企業局では、取水堰を調査。その結果、臭いを発する物質「ジェオスミン」を確認した。保存してあった台風15号の時の水からも、ジェオスミンを検出。ジェオスミンは、藻類から発生する化学物質で、人によっては「土臭い」と感じる、かび臭を生むという。

 石手川ダムは、普段はダム湖をバイパスして水力発電所を経由して流れる水が多く、同局では「ダム湖からの放水で、そこで繁殖している藻類の影響が水に出た」 と見ている。公営企業局では11月19日から毎日、取水堰でジェオスミン量測定を始め、「いち早く対応できる体制を整えた」 としている。

投稿者 アクアス総研 : 2011年12月 5日 17:21