紙ごみからバイオ燃料【京都】

読売新聞 2011年8月24日

(記事抜粋)

京都市と日立造船(大阪市)は、市内の家庭や事業所から排出される生ごみと紙ごみを原料にバイオエタノールを作る実証事業を共同で行うと発表した。生ごみをエタノール化する技術はすでに開発されているが、紙を混ぜて行うのは全国初という。市は、石油などの代替燃料としてCO2(二酸化炭素)削減にも役立つとしており、廃棄物を新たな“都市油田”と位置付けて実用化を目指す。(鷲尾有司)

生物由来のバイオ燃料では、市は1996年以降、てんぷら油で作った燃料(BDF)をごみ収集車や市バスに使うなどしており、日立造船にBDF製造プラントを発注した経緯もある。今回の実証事業は、原料になる廃棄物の幅を広げるメリットがあり、来年度までの2年間、環境省の補助金を受けることも決まった。

西京区の市西部圧縮梱包(こんぽう)施設(旧市西部クリーンセンター)に実験施設を作り、今年度末に運転を始める。集めた生ごみと紙ごみを専用の機械で分け、酵素と酵母を加えて糖化・発酵させた後に蒸留する。約5日の工程で、ごみ1トンから濃度99・5%のエタノールが60リットル前後でき上がるという。

実験では、生ごみと紙ごみの比率によって製造量がどう変わるかなどを調べ、低コストで効率的な製造方法を検討する。できあがったエタノールは、ガソリンに混ぜたり、暖房器具の燃料にしたりして活用する。

今年度の事業費は4億5800万円。半額を補助金でまかない、残りを日立造船が負担する。

バイオエタノールは世界各国で、トウモロコシやサトウキビなどが原料に使われてきた。しかし、世界人口の増加で、今後、食料を原料にするのは難しくなると考えられているという。

市役所で行われた共同実施協定の調印式で、門川大作市長は「東日本大震災以降、エネルギー政策の転換が求められている。『都市油田』とも言える画期的な取り組みだ」、日立造船の古川実社長は「低炭素社会を実現するための再生可能エネルギーになる」と意気込みを語った。

特殊な酵母を提供する熊本大の木田建次教授(発酵工学)は「生ごみと紙はすでに回収システムができており、量も安定している。作ったエタノールを地産・地消すれば環境保全に役立つ」と期待している。

投稿者 アクアス総研 : 2011年8月24日 14:22