メソポタミア文明から始まる、とあるもの。
メソポタミア文明が栄えたBC5000年ころが始まりのもので、私たちの生活を安全・安心で快適に支えてくれているものといえば、なにが思い浮かぶでしょうか?
ヒントは、
近くにあるのに目にすることのない長いもの。
そして、
街を清潔に保ち、浸水から守り、身近な環境も守り、さらにエネルギーや資源を創るもの。
答えは、 下水道。
普段、気にする人はあまりいないと思いますが、下水道は歴史が古く、生活に密着した設備です。あまり普段注目しない下水道ですが、その効果は多岐にわたります。
細かく見ていきましょう。
■ 街を清潔に保つ
家庭ででた汚れた水は、排水口から排水管へ、そして下水道に流れていき、下水処理場にたどり着きます。
汚水をすみやかに運んでくれる下水道があるおかげで、汚水が街に垂れ流されることがなくなり、ハエ等の害虫や悪臭の発生が抑えられ、街の清潔が保たれるのです。
■ 浸水から守る
街が水浸しにならないように雨水をすみやかに排水し、私たちの暮らしを守っています。コンクリートやアスファルトだらけの都市部では下水道が無かったら大変なことになります。
■ 環境を守る
家庭排水や工場排水など、川に垂れ流すのではなく、下水道を通って下水処理場に運ばれ、適正に処理(消毒)されて、河川や海に戻されることで環境が守られています。
過去に河川や海が汚水で汚染され、生態系がダメージを受けたなんてこともありましたが、下水道や下水処理場が整備され環境負担が激減しました。
■ エネルギーや資源を創る
下水道の先、下水処理場から「日本産資源」が生まれています。下水処理場で生まれる下水汚泥は廃棄物として埋立などで処分されてきました。
しかし、近年技術の進歩などにより、バイオガス、汚泥燃料、肥料などの多様な資源が生み出されています。
普段、あまり気にすることのない下水道ですが、その役割は私たちの生活になくてはならないとても重要なもの。暮らしや環境を守るために、整備や改良が日々おこなわれています。
(参考Webサイト)
公益社団法人 日本下水道協会 「下水道の役割」/東京都下水道局「知っていますか?下水道の役割」/国土交通省「資源・エネルギー循環の形成」