2026.07.07

自然流下方式とは?重力を利用した環境に優しく災害にも強い水道の仕組み

自然流下方式で高い場所から低い場所へ水を届ける水道の仕組み

皆さん、こんにちは。

季節が移り変わる中で、私たちの生活に一年中なくてはならないものといえば「お水」ですよね。

朝起きて顔を洗うときから、夜お風呂に入るときまで、蛇口をひねればいつでも勢いよく水が出てきます。この「当たり前」の裏側には、日本の先人たちが地形を活かして作った、驚くほど賢いアイデアが眠っています。

今回は、環境にも優しく、災害のときにも私たちを守ってくれる「自然流下方式」という水道の仕組みについてご紹介します。

■ 自然の力を利用して水を届ける「自然流下方式」とは

自然流下方式とは、高い場所にある浄水場や配水池から、低い場所にある街へ、地球の重力を利用して水を届ける仕組みです。水が高い場所から低い場所へ流れる自然の力を利用することで、家庭の蛇口から水が勢いよく出るために必要な「水圧」も自動的に生み出しています。

■ 環境に優しい、エコな水道システム

自然流下方式の最大のメリットは、水を送るための電気や大型ポンプが不要なため、極めてエコである点です。

実は、日本全国に張り巡らされた水道管の長さ(総延長)は、なんと約74万キロメートルにも及びます。これは地球を約18.5周、あるいは地球から月までを往復できるほどの驚異的な長さです。

これほど膨大なネットワークへ毎日休まず水を運ぶため、もしすべてを電気のポンプで圧送しようとすれば、莫大な電気代がかかり、水道料金にも大きな影響を与えてしまいます。重力を味方につける自然流下方式は、環境負荷を最小限に抑え、私たちの水道料金の安定にも大きく貢献しています。

■ 災害時にも強い、水道を守る仕組み

さらに、この仕組みには災害時に強いという頼もしい特長があります。

地震や台風などで大きな停電が起きたとき、電動ポンプに頼る近代的なシステムでは、一瞬で街全体の水道が止まってしまう可能性があります。しかし、自然流下方式なら、電気が止まっても水は上から下へと自然に流れ続けます。そのため、浄水場や配水池に水がある限り、避難所や家庭の蛇口へ、命を守る大切な水を届け続けることができるのです。

■ 自然の力を活かした、日本の水道技術

このように、日本の水道は地球18.5周分という壮大なスケールのネットワークを維持しながら、地形の「高低差」という自然の力を賢く使うことで、環境に優しく、もしもの時にも頼りになる強いライフラインを実現しています。

※ 受水槽方式や直結増圧方式の建物など、電動ポンプで加圧して各部屋へ送水している場合は、停電時にポンプが停止するため水が出なくなります。

(参考Webサイト)
仙台市水道局「水道の水が届くまで」

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