仮想水(Virtual Water:バーチャルウォーター)
私たち人間にとって重要な水・・・。
実は、私たちが気づかないところで、とても多くの水が消費されているのです。
野菜や穀物等の農産物や牛肉等の畜産物を生産するには大量の水が必要です。
こうした生産のために間接的に使われる水資源の総量を仮想水(Virtual Water:バーチャルウォーター)といいます。
日本では、多くの食糧や工業製品を様々な国からの輸入に頼っているのが現状で、仮にそれらの全てを国内で生産したとするとしたら、
とても大量の水(仮想水)が必要となります。
東京大学生産技術研究所の沖大幹教授らグループの調査データによると、輸入している農作物を育てるために使われている水は、
年間にしてなんと約640億?もの量になるようです。
そしてこれを、一人一日あたりに換算すると、なんと1,460立方メートル(お風呂にして約8杯分)の水を輸入している事になります。
さらに、日本の年間水使用量は839億立方メートル(2003年)という事なので、その約3/
4に当たる仮想水を輸入しているという事になります。
日本は、食料輸入を通じて海外から大量の水資源(仮想水)を輸入することで、 間接的に生産国の水不足の原因を作っている水資源消費大国という事が言えます。
私たちは、水は飲めて当たり前、使えて当然と思いがちですが、水も限りある資源なのです。
世界的な水不足が指摘される今、日々の生活にこの仮想水(バーチャルウォーター)という考え方が浸透することで、私たちひとりひとりが、
水の消費に自覚を持ち、水の有効利用を考える契機になればと思います。
環境省のバーチャルウォーターのページには、いろいろな食品の仮想水が計算できますので、皆さんも 一度参考にしてみてはいかがですか?
≪参考≫ 環境省ホームページ
http://www.env.go.jp/water/virtual_water/index.html